断熱シートで足りない窓とは?窓の寒さ対策をプロが解説
✔ 窓に断熱シートを貼ったのに、窓ぎわがまだ寒い
✔ 厚手のカーテンにしても、足元がひんやりする
✔ シートがはがれてきて、見た目も気になっている
✔ この冬こそ、寒くない部屋で過ごしたい
結論からお伝えすると、断熱シートやカーテンは窓の寒さをやわらげる補助の対策で、1枚ガラスの窓やすき間風のある窓の寒さまでは止められません。
日本建材・住宅設備産業協会の2025年12月の試算では、断熱等性能等級4相当の戸建てでも、冬に逃げる熱の41.2%が窓などの開口部からとされています。
本記事は2026年10月時点の情報です。
断熱シートを貼っても、窓が寒いのはなぜ?
断熱シートが効くのはガラスの表面だけで、サッシ(窓の枠)から伝わる冷えや、すき間から入る外の空気は残るからです。
弊社が現地調査にうかがうと、断熱シートや西日対策のシートを貼った窓をときどき見かけます。
多くはご自身で貼られたもので、端がはがれかけていたり、見た目がきれいでなかったりします。
正直なところ、寒さに効いていると感じる窓はあまりありません。
理由は、窓の寒さの入り口がガラスだけではないからです。
冷えたガラスやアルミのサッシに触れた空気は冷やされ、床へ流れ落ちるんですね。
この冷たい空気の流れをコールドドラフトと呼びます。
さらに、サッシの合わせ目や枠のすき間から外の空気も入ります。
断熱シートは、気泡の入ったシートやフィルムをガラスの面に貼るものなので、サッシとすき間からの冷えには届きません。
窓に貼るプチプチ(気泡緩衝材)も同じで、一時しのぎにはなっても、窓全体の寒さは止まりません。
断熱シートで足りないのは、どんな窓?
ガラスを触って強く冷たい1枚ガラスの窓、閉めていても風を感じる窓、枠がゆがんで開け閉めが重い窓は、シートでは寒さが残ります。
ガラスを触ると、1枚ガラスかペアガラスかが分かる
現地調査で窓の寒さを確かめるとき、お話もうかがいますが、一番確かなのはガラスを実際に触ることです。
強く冷たく感じるかどうかで、1枚ガラス(単板ガラス)か、2枚のガラスの間に空気の層があるペアガラスかが分かります。
あわせて、築年数と、窓枠・縦枠(窓の左右の枠)の状態を見ます。
ご自身で確かめたい場合は、窓ガラスを見てみてください。
ペアガラスには、ガラスに刻印が入っているケースがあります。
刻印が見つかるかどうかも、1つの手がかりになります。
枠のゆがみは、水平器で測って確かめる
枠の様子がおかしいと感じたときは、水平器(傾きを測る道具)を当てます。
内窓の商品には、取り付けられる傾きやゆがみの幅(許容範囲)が決まっているためです。
範囲に収まれば、そのまま内窓を付けられますよ。
収まらないときは、取り付け方の対策を考えます。
すき間風が入る窓は、このゆがみが原因のこともあり、シートやすき間テープではふさぎきれません。
| 窓の様子 | 考えられること | シートやカーテンで足りるか |
|---|---|---|
| ガラスを触ると強く冷たい | 1枚ガラス(単板ガラス)の可能性が高い | 足りない。ガラスとサッシの両方から冷える |
| 窓を閉めていても風を感じる | サッシの合わせ目や枠のすき間 | 足りない。シートでは通り道をふさげない |
| 開け閉めが重い・鍵がかかりにくい | 築年数による枠のゆがみ | 足りない。枠を測って、内窓が付けられるか確かめる |
| ペアガラスで、窓ぎわの足元だけ冷える | サッシで冷えた空気が流れ落ちている | 床まで届く長さのカーテンで、やわらぐことがある |
内窓と断熱シート・カーテンは何が違う?
内窓は、今の窓の内側にもう1つ窓を付けて、ガラス・サッシ・すき間をまとめて覆う工事です。
シートやカーテンが届かない所まで冷えを止められるのが、大きな違いですね。
内窓とは、今ある窓はそのままに、部屋の内側の窓枠へ樹脂のサッシの窓を追加するものです。
外の窓と内窓の間に空気の層ができ、冷えが部屋に伝わりにくくなります。
| 対策 | 効く所 | 残る課題 |
|---|---|---|
| 断熱シート | ガラスの表面の冷たさ | サッシの冷え・すき間風。はがれや劣化 |
| 断熱カーテン | 窓と部屋の間の仕切り | すき間や裾から冷気が回る。昼に開けている間は効かない |
| すき間テープ | サッシの合わせ目のすき間風 | ガラスとサッシの冷え。開け閉めでずれたり、はがれたりすることがある |
| 内窓 | ガラス・サッシ・すき間風をまとめて | 費用がかかる(1か所 約11〜27万円前後)。開け閉めが2回になる |
内窓の費用は、窓の大きさやガラスの種類で変わります。
国や東京都の補助金の対象になる内窓もあり、組み合わせると負担を抑えられることがあります。
👉 関連記事:【2026年8月更新】東京・埼玉の窓断熱リフォーム補助金
光熱費がどう変わるかは、家の広さや暖房の使い方で違うため、一律の金額では言えません。
戸建ての内窓と光熱費の関係は、公的データをもとに別の記事で解説しています。
👉 関連記事:戸建て内窓リフォームの光熱費削減効果をプロが解説|さいたま市
断熱シートを貼った窓に、内窓を付けても大丈夫?
自分で貼った薄いシートなら、貼ったまま内窓を付けることもあります。
遮熱の力が強い本格的なシートの窓は、熱割れのおそれがあるため注意が要ります。
ご自身で貼る程度のシートは、遮熱の力がそれほど強くありません。
そのため、今の窓に貼ったまま内窓を付けることもあります。
とはいえ、はがれかけたシートが二重の窓の奥に残るより、ないに越したことはありません。
気を付けたいのは、メーカーが出している本格的な遮熱シートが貼ってある窓です。
その状態で内窓を付けると外の窓との間に熱がこもり、熱割れにつながるおそれがあると弊社は考えています。
熱割れとは、日差しで温まったガラスの中央と、温まりにくい端の部分との温度差で、ガラスが割れる現象です。
内窓の保証の扱いに関わる可能性もあるため、シートの種類は工事の前に確かめておきたいところですね。
メーカーも同じ点に注意を促しています。
LIXILは、ガラスにフィルムを貼ると日差しの熱がたまりやすくなり、熱割れのおそれが高まるとして、フィルムを貼らないよう案内しています。
同社の内窓インプラスの取扱説明にも、ガラスに紙やフィルムを貼らないよう注意が書かれています。
シートを貼った窓で内窓を考えている方は、シートをはがす前に一度ご相談ください。
ご自身で貼った薄いシートか、本格的な遮熱シートかで、工事の進め方が変わるためです。
夏の西日対策で、すだれや遮熱フィルムなどと内窓を比べたい方は、こちらの比較表もご覧ください。
👉 関連記事:西日対策の内窓リフォーム|板橋区で補助率95%達成|練馬区・板橋区
暖かい冬の予報でも、窓を直す意味はある?
暖かい冬の予報でも、朝晩の冷え込みや寒い日はあるため、窓を直す意味はあります。
予報は平均の気温の見通しで、寒い日がないという意味ではありません。
気象庁が2026年9月18日に発表した関東甲信地方の3か月予報では、10月から12月の気温は「高い」の確率が50%とされています。
一方で、「平年並」「低い」の確率も合わせて半分あります。
窓の寒さは、外の気温が下がる朝晩や、日が当たらない北側の部屋ほど強く出やすい傾向があります。
また、内窓は夏の暑さや結露、外の音にも効くため、冬だけの対策ではありません。
家じゅうの窓を一度に直す必要はありません。
リビングや寝室など、毎日長くいる部屋で、ガラスを触ると強く冷たい窓から始めると、変化を感じやすくなります。
あまり使わない部屋や、ふだん開けない小さな窓は、後回しにしてもよい場合があります。
窓が二重になると開け閉めは2回になるため、開け閉めの多い窓は、使い勝手も含めて考えます。
寒さ対策、どこまで自分でやるか迷ったら
断熱シートやカーテンは、手軽に始められる対策です。
ただ、1枚ガラスの窓やすき間風のある窓では、それだけで冬の寒さを止めるのは難しいのが実情ですね。
弊社では、カーテンなどの手軽な対策でしのげる所と、内窓にしたほうがよい所を分けてお伝えします。
全部の窓を一度に工事する前提ではなく、今の窓の状態を見たうえで、どこから直すかを一緒に決めていきます。
シートを貼ってしまった窓や、どこまで自分でやるか迷う窓ほど、一度見てもらうと気が楽になりますよね。
気になる窓の場所と、貼ってあるシートの種類を教えていただければ、丸岡が直接、内窓が必要かどうかの目安をお答えします。
窓の写真があれば、LINEで見ながらお話しすることもできます。
まだ工事を考えていない段階でも、気軽にどうぞ。
出典
- 一般社団法人 日本建材・住宅設備産業協会「住宅各部位における熱の出入り割合」(2025年12月公表/断熱等性能等級4相当の戸建て住宅を想定した試算)
- 気象庁「関東甲信地方 3か月予報」(2026年9月18日発表/対象期間:2026年10月〜12月)
- 株式会社LIXIL「よくあるお問い合わせ:窓や玄関のガラスにフィルムシートを貼っても良いですか?」(2026年9月23日に確認)
- 株式会社LIXIL「インプラス 取扱説明(警告・注意)」(2026年9月23日に確認)
丸岡吾郎|株式会社Knot Insight 代表(https://www.knotinsight.jp/company/)
建設業許可:埼玉県知事許可(般-7)第079245号
先進的窓リノベ2026登録事業者/賃貸住宅の断熱・再エネ集中促進事業者
対応エリア:東京都23区全域(板橋区・練馬区・新宿区ほか)/埼玉県全域(さいたま市・川口市・戸田市ほか)
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